総長様はOLがお好き
再開は突然
「え〜?!なにそのシンデレラストーリー?!」
「ちょ、声がでかいですって先輩、」
翌日、私は昨日の夜の出来事を職場の先輩に話していた。
そりゃあ、まあ、シンデレラストーリーというか、少女漫画のような展開というか……
「はぁ、いいなあ、私もイケメン拝みたいわ……」
「いやいや!イケメンでしたけど、不良っぽかったですよ!」
「いーじゃない。まあ不良なら絡まれのはアレだけど、お顔を拝むくらいはねぇ、」
「たしかに、眼福でしたけど!!」
「不良にもイケメンがいるものなのねぇ。私毎年、ほら、高校に教科書の出張販売あるじゃない。あれで不良高校みたいなとこにも行ってるけどさぁ、イケメンなんてまーったくいないわよ。変な頭の変なのばっか。」
私の職場は出版メーカー。
ちょうど新学期が始まるこの時期には教科書の出張販売がある。
「あー、なんか聞いたことあります。あの高校、今年も出張あるんですよね?」
「そうそう、星那ちゃんも来る?誰も買いに来ないから暇でいいわよ?」
もう不良はこりごり、と言いたいとこだが、暇でなのはさすがに魅力的すぎる……。