月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「じゃあ、この地図は私のものということで、使い方を教えていただけませんか?」

 購入したは良いものの、魔道具としての使い方がさっぱりわからないティナは、店主に教えを乞う。

 そんなティナの一連の行動をポカン、と見ていた店主は、身体をプルプルさせていたかと思うと、堪えきれなかったのだろう、ついに爆笑した。

「うひゃひゃひゃひゃっ!! 使い方もわからないのに買うなんて……っ! 見た目とは違ってずいぶん豪快なお嬢ちゃんだねぇ……! ひゃひゃひゃひゃひゃっ!」

「えっ……! あ、いや、何となく良い商品なんだろうなぁって思ったので……。それに小銀貨五枚でも安いって言ってましたし……」

 ティナは店主がここまで笑うとは思わずオドオドする。

「ひゃひゃ、自分で言うのも何だけど、良い買い物だと思うよ? この地図は所有者の位置を表示してくれてね。自分の現在位置がわかる優れものさ」

「え……っ! すごい! じゃあ、自分がどこにいるのか迷わずにすみますね!」

「それだけじゃぁないよ。お嬢さんが連れているその魔獣の位置もわかるからね。はぐれても簡単に見つけられるのさ」

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