きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
その情報は校内で瞬く間に広まり、周りから腫れ物扱いされるようになってしまった。


「親友だと思ってた人も、挨拶どころか目も合わせてくれなくなってさ」


先程彼女が言った、元気なさげに見えた原因はそれ。

疲れていたのも本当だけど、友達ができても、また離れていくんじゃないかって、怖かったんだ。


「心配かけてごめん」


彼女の正面に立ち、深く頭を下げる。


「ううん。苦しかったよね……」


すると、右手を包み込むように握られた。


「私は離れないよ。だって、紫月くんのパートナーだから! だから……1人じゃないよ」


顔を上げた拍子に目が合い、思わずドキッとした。

力強くも優しさを含んだ眼差し。
手の温もりも相まってか、じわっと目頭が熱くなった。

どうしよう、感情が溢れ出そう……。


「……ありがとう」


涙の代わりに笑みをこぼし、彼女の頭にポンと手を置いた。

デステニーのこと、あまり信じてなかったけど……この子となら、最高の金の夫婦の卵になれるかも。

淡い確信を抱きながら、頬を赤らめているパートナーの手を引いて教室に戻った。
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