ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 ラインハルトとの婚儀じたいは、皇族付きの司祭から祝福を受けただけでとくにパーティーやお披露目はしなかった。

 武闘派のイメージを貫いているラインハルトは、「婚儀など興味はない」と周囲の勧めを突っぱねた。

 亡くなった奥様のときは、奥様の方が拒否されたらしい。というよりか、式の当日に着用するはずのドレスが気に入らなくなり、たったそれだけのことでキャンセルしたという。延期という話になったけれど、それはさすがにラインハルトが突っぱねた。

 よくよく考えなくても、これほど夫をバカにした話はないわよね。
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