ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

止まらぬ涙

「きみの笑顔は、もともときみ自身が持っていたものだ。笑えるということは、きみ自身が明るく前向きな証拠。おれは、それを引き出すきっかけを作ったにすぎない」
「その作っていただいたきっかけが、わたしをかえたのです。感謝してもしきれません。皇帝陛下にお会いするのも、不安ではないとは言えません。嘘になりますから。ですが、最初の頃よりずっと気がラクになっています。自信を持って、笑顔で陛下にお会い出来る気がします」
「その意気だ。陛下は、『獅子帝』などとごたいそうな呼ばれ方をしているがただのやもめジジイ。きみのその素晴らしい笑顔で、一発かましてやれ。きっとイチコロさ」


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