【完結】呪われ令嬢、王妃になる
(どうしましょう……! ここがジェラルド様の寝室。そっと開けたほうがいいわよね?)

 その心の言葉通り、そーっと中を伺うようにドアを開けると中にはガウンを来て夜着になっているジェラルドがいた。
 その姿は遠目から見てもドキリとして心臓が飛び跳ね、思わず顔が赤くなってしまう。
 すると、ドアの隙間から自分を見つめる視線を感じたジェラルドはふっと笑って声をかけた。

「シェリー、おいで」
「は、はいっ!」

 シェリーはドアを開けて中に身を入れると、そのままドアを閉めてゆっくりとジェラルドに近づいていく。

「ひどく緊張しているようだが大丈夫かい?」
「いえ、その……」
「ふふ、大丈夫。取って食ったりしないから、そこに座ってごらん」

 そうすると自分の横にある椅子に座るように促して、うすはりのグラスに入った赤ワインをシェリーに手渡す。

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