【完結】呪われ令嬢、王妃になる
「はいっ! お願いします!」
「あなたはどんな思いでこの妃教育を受けるのですか?」

 そう言われて、シェリーは少し困った表情を浮かべた。
 しかし、次の瞬間には昨日の夜にジェラルドと一緒に眺めた月と、ジェラルドの横顔、そして呪いで苦しむ彼の表情が浮かんだ。
 そうして、彼女は強い目をクラリスに向けて覚悟を語った。

「私は、ジェラルド様のお役に立ちたいです! 立派な妃となり、あの方をお支えできる立派な王妃になりたい!!」

 その言葉を聞き、クラリスは満足そうな表情を浮かべると、シェリーに任務を与えた。

「では、その手の中にある文献を1週間で読み、そして全て覚えてください!」
「はい……?」

 早くもシェリーの心は打ち砕かれようとしていた──

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