聖なる夜に明かすのは
さっきからやけに楽しそうな冬馬は、近くを通った自分の彼女に話しかけた。

「あ、美雪〜」

「なーにー?」

と甘えるような声で返事をしたのは、冬馬の彼女であり、原さんの友達でもある森下。いかにも女子っぽい女子で苦手意識を持っていたけど、なにかと親切で悪いやつではないと分かってからは冬馬と3人でたまに話すようになった。なんか邪魔してるようで申し訳ないが、教室でふたりで話してると他のやつらに冷やかされるけど、俺も一緒にいると冷やかされなくて楽、らしい。俺都合よく扱われすぎだろ、とちょっとムカつくけど。
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