巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 私が椅子に座ってすぐ、エリーさんが話してくれたのは私を安心させてくれる内容の話だった。きっと心配していた私を気遣って、忙しい合間をぬって情報を手に入れてくれたに違いない。エリーさんには感謝の気持でいっぱいだ。


「あの廃神殿が無事で良かったです! でも、崩れた石をわざわざどけて中に入ったんですか?」


 崖崩れだと落ちた石もかなり大きいだろうし、撤去するのも大変だったんじゃないかな、と想像する。


「私の知り合いが調査隊にいて、その人から話を聞いたのだけれど、神殿の入り口は塞がっていなかったそうよ。結構大きく崩れたらしいから、その話を聞いた人が勘違いしたみたいね。私も間違った情報をサラちゃんに伝えちゃってごめんなさいね」


「いえいえ! それは大丈夫ですから! 気にしないでください!」


 今回の崖崩れで巻き込まれた人がいないか、周りの状況はどうなっているかを調査するために数人の調査隊が派遣されたそうだけれど、落石が転がっていたぐらいでこれと言って大きな被害はなかったらしい。
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