巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
13 自覚
「……あ! サラちゃん! おかえりなさーい!」
「サラねーちゃんおかえりー!!」
「はーいただいまー! ほーらみんなー! お土産だぞー! あ、クラリッサさん! 子供達を見てくれて有難うございます!」
街から帰ってきた私を見つけた子供達が嬉しそうに集まってくる。そんな笑顔の子供達に囲まれながら孤児院の中に入ると、子供達を見てくれていた婦人会のクラリッサさんにお礼を言う。
「あらあら、サラちゃんお疲れ様だったわねぇ。さあ、中に入って」
クラリッサさんに促された私は子供達と一緒に食堂へ行き、お土産に買ったお菓子を鞄から取り出した。
「ほら、お土産のチョコレートだよ。みんなで仲良く分けてね」
チョコレートは自分が作れるお菓子じゃないし、子供達が大好きなのを知っているので、ちょっと高額だったけれど思い切って奮発したのだ。
前回食べたのはお爺ちゃんがいた時だから、もう一年以上口にしていない事になる。
「うわー! チョコレートだー! 僕これ大好きーー!!」
「あまいにおいね。おいしそうね」
「わぁ!! サラねーちゃんありがとう!」