幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
波乱なウェディング?
──6月、お待ちかねのジューンブライド。

純白のウェディングドレスを見に纏い、準備の整った私は新郎の待つ控え室に移動する。

「陽菜乃、凄く綺麗だ」

「瑛ちゃんもすーっごく、すっごく格好良いよ」

お互いがお互いを見た瞬間、いつもとは違う装いにテンションが上がる。ウェディングドレス姿の私とタキシード姿の瑛ちゃんがお互いを見合わせて、褒め合う。

更に惚れ直す位に麗しく、その上、凛々しくて、『この人が私の旦那様ですよ』って世界中に発信したい。

「おいおい、周りの目も気にしろよな!」

瑛ちゃんとイチャイチャしていたら、背後から兄の呆れた声が聞こえた。控え室には家族も居たのを忘れる程に舞い上がっていた。周りを見渡すと家族から目を反らされる。

マズイ、失態を晒した。

ウチの家族はともかく、瑛ちゃんのお父さんとお母さんの前なのに……!

「陽菜乃さん、瑛大を選んでくれてありがとう」

恥ずかし過ぎて穴があったら入りたいと思ったが、お義父さんは涙ぐみながら私に歩み寄った。

「私が一流の外科医になれとばかりにアメリカの大学病院に無理矢理に送り込み、外科医以外の人生はどうでも良い。一流になったと認められるまでは帰って来るな、などと言ってしまった時から、瑛大とは疎遠になりました。

そんな時でも、遠く離れていても支えてくれたのが陽菜乃さんだと聞いています。瑛大が日本に帰国する前に一通の手紙をくれました。内容は、瑛大が陽菜乃さんにプロポーズして上手く行かなければ再び、アメリカに渡ると宣言していました。

それまで疎遠だった私達を引き寄せて下さった事にも感謝しております」
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