オタクな俺とリアルな彼女。
『リプの内容は単純なほどいい。固ツイにある画像のどちらのデザインの，何なのか。Tシャツならば，前後の指定もしてくれ。そしてこれは任意で構わないが，普段コメントしているユーザー名を記載しろ。知ってるなと思ったやつは，上限で1/3名程度私の独断で当選させる可能性がある。不公平だなんて文句は受け付けない，これは私主催だ。全ての権限は私にある』



話し疲れたのか，先輩は今日初めてお酒に口をつける。

喉が渇くだけだろうにと思いながらも，俺は続きを待った。



『転売は一切禁止。そして未成年者の応募は，当選した場合に住所を教える許諾を保護者に得てからのみとする。応募者はそれら契約を全て等しく結んだ事ととし，それを破ってまでする行為は，ただの詐欺だと言うことをゆめゆめ忘れるな』

『応募期限は今日から5日間。リスナー以外が沸いて出るのはごめんだからな。今いない人間のためにこの動画は期間中だけ残しておくつもりだ。固ツイにも同様の記載があるが，耳で覚えたいやつは勝手にしろ』

『そしてTwitterにアカウントを持っていない，許可が下りない人。悪いが私にはそこまで配慮する義理はない。欲しければ死ぬ気で伝手を探せ。知り合いへの譲渡に制限はかけない』




色々思考したのだろう事が分かる。

初めての企画なのに，すらすらと事項が並べられた。

あらゆる可能性を考えられ，卑屈になる人間が最小限まで抑えられている。

そして最後に，『あぁ』と思い出したように先輩が言った。
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