花を飾った君に、いつか

「────え?ええ?な、なんで」


「いつもの言わないの。おはよう巳夜くん、は?」


「お、おは...よう?」


「おはよ」



推しの巳夜くんを引きずりながらも新しい春がきて、無事合格できたこの学園の寮では二人同じ部屋で暮らすのが必須。



扉を開けてすぐ、好きでやまない彼の顔がお出迎えしてくれた瞬間、その場に崩れ落ちた。



つまり、デステニーによって選ばれた相手が巳夜くんだったってことで。



しゃがみ込んだ巳夜くんが下を向く私の頭を撫でる。甘い良い匂いにまた顔が熱くなった。



「あ...志望校教えてくれなかったの、誰かとゴールデンカップルになりたかったから?
うう、ごめんね私で〜...」


「違う。真似されるのは嫌だから、真似した」


「...私の?」


「あなたの」



そういえばあの日、真似されたくないって言ってたな?



ううん、それよりも...!



春休み挟んでの巳夜くん、かっこよすぎて瞬きしたくないくらいだし、加工してますか?



意地張って大きめのブレザー着てるのも愛しすぎる...
< 5 / 29 >

この作品をシェア

pagetop