花を飾った君に、いつか

「───で、結局割れた風船はひとつで最下位、と」


「巳夜くんに最下位なんて似合わないのに〜!!解釈違い!!」



最下位の称号を彼に渡したのは恋色でしょ、と傷をえぐるのは中学校からの友達、凪(なぎ)ちゃん。



運良く部屋も隣、凪ちゃんのパートナーは幼馴染の彼氏さん。



勝負ごとに弱い彼氏さんで、だからこそゴールデンカップルになりたいという気持ちは二人とも持っていなくて、一緒にいられればいいってタイプ。



そんな人たちもいるし、パートナーと息が合わなくてもう既にトレードを考えている人もいるとか。



このままじゃ足を引っ張りすぎて、愛想をつかされてしまってもおかしくはない。



「デート遠足は楽しむだけで終わっちゃったしね」


「巳夜くんが遊園地好きだなんてギャップ過ぎて遊びに全振りしちゃって...」


「巳夜くん巳夜くん聞きすぎて胸焼けするんだけど」


どうにかしないとって頑張ったテストもやっぱり巳夜くんには遠く及ばない。



“大好き”だけじゃゴールデンカップルになれないんだ。


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