木曜日は立ち入り禁止。
「そういえば何の話してたの?りつが騒がしかった気がするけど…」

なーさんはチョコをひとくち。私の隣の席に座ってニヤリとした。

「あ、そう!聞いてよなーさん!!佐藤くんがさぁ」

話をゆっくり頷きながら聞いて、なーさんはよしよし、とりっちゃんを甘やかす。

やっぱり、なーさんは大人っぽくて、まるでお姉ちゃんみたい。凄く安心出来る。
2人の光景をにこにこしながら見ていた。

「そーいえば!みくるは作んないわけ?彼氏」
「へっ?わ、私?」

りっちゃんは私の横に座り直す。

「そう、みくるってめっちゃ可愛いんだよ!私が言うんだから間違いなしっ!」
「また謎の鑑定を…」
「謎じゃない!ホントだよ!」

息荒く、りっちゃんの真ん丸の瞳は私の顔をじーっと見つめた。

「みくるは髪型がまず可愛い!サイド三つ編みが似合う子なんてそう居ないもん!それにそれに、目がおっきいし何よりふわふわしてる!」
「おー、さすがりつ。読モやってるだけあって着眼点と信憑性高いわ」

ぱちぱちと手を叩きながらなーさんが呟く。

どう見たって、2人の可愛さや綺麗さには到底敵わないのに…。

りっちゃんは雑誌の読モをやっていて、なーさんはカフェの看板娘(オーナーが売り出してるみたい)をやっている。
2人ともすごく可愛くて綺麗でかっこよくて、憧れの友達なのに、それでいて私のことも褒めてくれる。

「ふふふっ」

私はつい嬉しくなって少し笑った。

「あっ!その笑い方!めっちゃ清楚で可愛い!」
「まぁでもみくるに彼氏はちょっと心配かもしれんなー」

きゅっ

左右から抱きついてくる2人の温もりと優しさを感じながら、私はチョコを口に転がす。

「そういえばさ!今日の体育、自習らしいよ」

りっちゃんはぱっと離れて立ち上がる。
そっか、そういえばりっちゃん、今日のダンスの授業楽しみにしてたなぁ。

「もー最悪!!見て欲しかったのに!私の華麗なステップを!!」
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