木曜日は立ち入り禁止。
「お母さん……?中学のって…、私、あのトラウマのことなら覚えてるよ…?でも藤くんは別に……」
「……そうじゃなくて」

お母さんは少し焦ったように口を走らせる。
そして、深呼吸を何回かして、私の手を握った。

「いい、美空琉?晴彦くんが危険な人じゃないことはわかってるけど、彼と一緒にいるような人がどうなのかとか、危険は思ったより身近にあるの」
「……うん」
「お母さんは、美空琉にあの時みたいな辛い思いをして欲しくない」

お母さんはごめんね、と言ってゆっくりと顔を上げた。

「ご飯できてるから、食べよっか」

いつもの様子に戻ったお母さんは、大好きなカレーをお皿によそってくれた。

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