小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
サイズ調整や刻印のオーダーをして、俺たちは店を出た。

気づけば、通りや店舗のあちこちがクリスマスの装いになっていて、ふと、今年のクリスマスの予定はどうなっていただろうかと思った。

イブの夜・・だな、シフト調整するか。
俺はプロポーズの照準を、クリスマスイブの夜に定めた。

場所は自宅で、茉祐の好きそうなケーキをクリスマスの飾りにしてもらって用意して・・。

「祐一郎?」

「あ、ごめん、ちょっと考え事してた。茉祐、年末は仕事忙しいの?」

「んー・・外出があるのは23日までかな。そこから年始にかけては、在宅で依頼された翻訳をゆっくりやろうかと思ってる」

「そっか。じゃあ24日の夜は家でクリスマスパーティーしよう。ケーキは俺が予約するから、料理は茉祐頼んでいい? ケータリングの美味しいところ、どこかあるかな・・」

あくまでもクリスマスパーティーを装って、そこでプロポーズする。
あー、それにしても、なんて言えばいいんだろう・・・・。

「クリスマスかぁ・・私たち、半年前はまだ出会ってなかったよね」

「そうだな」

半年前・・夏だった頃は、まさか年末に自分がプロポーズのセリフで頭を悩ませることになるなんて予想もしなかったはずだ。

「あ、そういえば、最近片頭痛は? あんまり聞かない気がするけど」

「うん・・最後はいつだったかな・・薬も減ってないし。専属ドクターの管理がいいから」

「ハハ、任せとけ」

彼女を悩ませていた片頭痛の発作はすっかり落ち着いていて、初めて会った日のように、痛みに苦しむ姿を見ることは無くなっていた。



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