中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら甘めに愛されました。

聖女と極彩色の従魔


「――――無事だったのね!」

 胸元に切れ込みが入ってしまって、目のやり場に困るミルさんに抱き着かれる。
 飛び込んできた瞬間に、ポヨンと揺れた胸元に、私の目は釘付けになった。
 新たな扉が、開いてしまいそうだ。

「ミルさんこそ。間に合ってよかったです」

 あの場所に残してきてしまった、シストとナオさんのことを思うと、胸がヒリヒリと痛くなる。
 でも、今は前を向いて、この事態を打開するほかにできることがない。

「とりあえず回復を」
「いらないわ。この程度の傷、魔法を打つには支障がないもの」
「え……。でも」
「魔力は温存しておくのよ。だって、有限なのだもの」

 そういいながら、ミルさんは自分の手首にはめられていた、腕輪を外すと私の手首にはめてきた。

「これは」
「奥の手」
「――――ミルさんが持っていたほうが」
「……いいえ。聖女様が持っているべきだわ。魔人はきっとまた、ここに来る」

 怪しく光る、金色の目。口紅なんて塗らなくても、木苺のように赤い唇。
 最高の美貌だと、王国の誰もが言うだろう。
 むしろ、厚い化粧で今までこの美しさを覆い隠していたのではないかとすら思ってしまう。

「さ、戦いましょう。最後まで付き合ってもらうわよ? ロイド」
「ミル」

 剣聖ロイドさんが、一瞬のスキをついて、ミルさんの頬をぺろりと舐めた。
 その姿は、狼が愛する番にする、親愛行動のように見えたのは、私だけだろうか。

「きゃ?!」
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