先生の隣にいたかった
「で、誰のことが好きなの?」
「ち、違うよ。ただ、その…しゅうくんと別れる時にね、恋愛として好きじゃないって言ったんだけど、恋愛として好きって、どんな気持ちになのかなって思って」
「へ〜、恋愛として好きとは、どんな気持ちかって?気になるよね〜」
ダメだ。咲は、完全に私をからかっている。
「私に聞いても、いおのためにならないかもよ?それでもいい?」
「うん、聞きたい。咲にとって、相手を好きになるって、どんな感じ?」
「そうだな。まず、人によって、好きの基準は違うと思う」
「…好きの基準?」
「そう。どこから好きで、どこからが友達なのか。まぁ、これに関しては、経験しないと分からないんだけどね。でも、好きってことは、その人の事をずっと考えてるんだと思う。なんか、頭から離れないって感じ?」
頭から離れない人。いつもその人の事を考える。
「…先生」
「先生?」
「え!?あ、いや、なんでもない」
「まぁ、とにかく、その人のことが、頭から離れなかったり、その人の事ばかり考えてるんだったら、多分その人のことが、好きだって事だと思うよ」
好き…。そっか、私は先生が好きなんだ。
「いお。もちろん恋をするのは、素敵なことだけど、よく考えることも大事だからね」
「…どうゆうこと?」
「だから、どんな形であっても、諦めたらダメってこと」
「…どんな形であっても」
「そう。頑張ってね、いお」
「うん…え、いや違うよ?」
「もう隠さなくてもいいよ。バレバレだから。じゃあ、また明日ね」
そう言って、咲は帰って行った。最後の最後まで、違うって言ったけど、もう咲にはバレてたみたい。ありがとう。でも、もし私が、先生のことが好きだって言ったら、同じように応援してくれてたのかな。多分私のことを思って、やめなって言ってたと思う。
でも、もう無理だよ。先生の事を好きだと自覚してしまえば、簡単に諦めるなんて出来ない。だから、咲が言ったように、諦めないよ。
たとえ、先生と生徒の形の恋だとしても。
< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop