閉鎖夢物語

日常

...ピピピ...ピピピ...ピピピ...ピピピ...ピピピ...。

目を覚ました時、無機質なアラーム音が部屋中に響いていた。それをじっと聞いているうちに、今日も一日が始まるのかと、憂鬱な気分が膨れてきた。俺は目をそっと開けた。自室の天井が見え、布団を覆いかぶさり、鳴り続けるアラーム音を聞いていた。いつもと変わらない、同じ1日を何度も繰り返してきたかのように思える程の日常だった。

重い腕でアラーム音を消し、上半身だけ布団をのけた。朝は頭が回らない。だから動物的に、機械的になってしまうのだろうか。下半身にかかっている布団をのけて、パイプベッドから体を離した。窓からは陽光が直線に差し込んでいる。陽光は、床を照らし、ベッドを照らし、私を照らし、活力を与えてくれた。時間を見ると外出予定時間の10分前。随分寝てしまったようだ。クローゼットから決められた服を取り出し、リュックサックに必要なノートや教材などを詰め込み、必要な物を確認する。その後、トースターで食パンを焼く。朝は大体、機械的になってしまうが朝食時は少し違う。焼いた食パンにバターを乗せて伸ばし、窓際のテーブルに座って食べる。窓から見える小さい人が道を歩いている姿は、思考の流れのようで見ていて楽しい。だが、そんな悠長でいられる時間も長くはない。朝食を食べ終えるとすぐさまスマホとカギと荷物を取り、玄関までいきドアを開ける。外出時にドアを閉める時はいつも廊下が寂しそうにしている。エスカレーターで一階まで降りるが、エスカレーターは苦手だ。自分の意思で降下上昇速度を速くできないし、何よりこの狭い密閉空間が嫌いだ。マンション入口の自動ドアを通り外に出た。しかし、いつも思うことだが、近くに立っただけで勝手に開く自動ドアという現代技術に感服する。外に出ると、陽光が容赦なく降り注ぐ。電車に乗り遅れないよう、少し早歩きで行くことにした。

「間も無く電車が参ります。黄色い線の内側までお下がりください。」

駅のホームに着いた時、ちょうどにアナウンスがなった。少しして俺が乗る電車が到着した。扉が開き、外に出る人が出た後に電車に乗った。たまたま空席があったので座り、即座にスマホを取り出して弄り出し、てきとうにネットニュースでも見ようかなと思っていた。それから30秒ほどした頃であろうか。急激な眠気が襲いかかってきた。昨日は夜遅くまで起きていて3時間ほどしか眠れていないのだから仕方ないかと思いつつも、しばらくは眠気と闘っていた。それも限界に近づき、少しなら問題ないかと思い、少し目を閉じようとした時、急に意識を失ったように眠ってしまった。
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