if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』

『嫁のつとめ』

『嫁のつとめ』


朝陽が客間のカーテンの隙間から差し込み、その明るさに目覚めた薫はゆっくりと瞳を開ける。見慣れない天井の柄に”ああ、そうだ。福岡の俊の実家にいるんだった”と安心する。
お布団を2組ピッチリと隙間なく並べて、親子3人で寝たんだった。

横を見ると、相変わらず目鼻立ちの整った顔があり気持ちよさそうに寝ている。真横にはわが子が父親と同じ姿勢で、またこれも気持ちよさそうな顔をして寝ていた。
DNAの成せるワザなのだろうか?と思えるぐらい同じ姿勢でいる事が多い。
離れていた時間があった薫にとって、そんな些細な事も幸せを感じてしまう一つなのだ。


そっと布団を抜け出すと、静かに扉を開閉し廊下に出る。薫はまだ完全に覚めていない頭に、グーで握った手でトントンしながらサニタリールームへと続く廊下を歩いた。

薫にとっては二度目の夫の実家帰省で、”ちゃんとお嫁さんしなくちゃ”って思いで、休日にしては、いつもよりちょっと早めの起床だ。洗顔を終えると、髪を後ろに一つ結びにした。トレーナーとスリムパンツに着替えると、エプロンを手にしてキッチンへ向かう。



コトコトコト・・・
シュ~

キッチンに入ると、すでに俊のお母様が背中を向けて
温かい湯気に包まれていた。

「おはようございます。」

薫がそう挨拶をすると、春子(お義母さま)は後を振り返りニコッと笑顔になって
「あらッ、おはよう薫ちゃん、早起きねぇ。もうちょっとゆっくりしてていいのに」と言いながら手元に視線を戻した。

< 1 / 28 >

この作品をシェア

pagetop