秘めたる想いと永遠のバディ
同じ痛み
「大丈夫よ。私はね…知ってる人のいないところへ行きたかったし、この学校の、先輩という存在がいないところに魅力を感じたから。日本中の新設の高校の中でも、ここは1期生だけというのもいいなって」

そんなリサの言葉に、私も共感してしまう。

「わかるよ。私も、先輩ってやつには苦い思い出があるからね」

ユキオにだけは既に話したことを、リサにならチラッと話してもいい気がした。

「オリエも?」

「うん。今でも思い出すと結構しんどいんだけどね…。理不尽な理由で、部活の先輩から集団いじめにあってたから」

「理不尽な理由?」

「小学6年の頃に転校してきた男子が、私に好意を持ってたんだけど、こっちはその子に全く興味はなくて。中学生になって部活に入ったとき、その男子の2つ上の姉と、部活で初めて知り合ってね。かなりの仲良し姉弟らしくて、姉は一方的に私を知ってた。彼女にとって私は、弟をフッた憎い相手だからって、部活の3年全員がグルで私のことを執拗にイビり続けたんだ。1、2年生はいじめに加担しなかったけど、中学の上下関係って異常だし、結局は一人で耐えるしかなかった」

実は、ユキオにはもう、この続きも話してある。

私がいじめに疲れ果て、人目につかないところで泣いていたら、たまたま例の女教師に見つかったのだ。

先生は、顧問でもなければ、担任でもなかったのだが、何かあったなら話すように促され、私は哭きながらつらい胸の内を先生にぶつけた。

いつもの私は甘え下手で、そんなことはしないのに。
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