if…運命の恋 番外編Ⅲ『愛に変わるとき』

唯一、勇さんと同じ職業というだけで医師としての夫は嫌いではなかった。
職業柄、自宅にいる時間が少なくて、親しくする時間だって
努力をしないと取れない。 だけど、私はあえて、そんな時間を作らないでいたし、夫だって私に対して、そんな表現をしてきた事もない。


今まで、夫を男性として考えた事、みた事がなかった。
”愛している”なんて言葉、聞ける相手だとは思いもしなかった。

夫の言葉にいたたまれない私は、ベットより腰をあげて
その場から立ち去ろうとしたのに、夫は私の身体の動きを止めさせて
更に私にもう一度 告白をして来た。



「勝手な事を言わないでください!」

「美子さん、僕は貴女を心から愛してる」





   ”僕は妻を愛しています・・・
   僕にとって、今も、それからこれからも大切な女性です”

勇さんが私に言った言葉を思い出した
今、夫は そんな風に言った勇さんと同じ真剣な目をしていた。




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