強烈な旦那様♡おバカなカメ~その後のちょっとしたお話~
引き取って一ヶ月。

まだまだ、手探りな李範と夏菜。
二人は、ある言葉を心に日々暮らしている。

“血の繋がりではない。
どんな親だって最初は、手探りだ。
それに、十人十色という四文字熟語があるように、子どもだってみんな同じではない。
大切なのは、蓮翔を愛すること。
楽しく過ごすこと。
幸せになる努力をすること”だと━━━━━━


そんな李範・夏菜・蓮翔の日常を少し覗いてみよう!



しつこいようだが、トロくて何をするにも時間を要する夏菜。
夜中の蓮翔の対応にも、時間がかかる。

李範に包まれ、眠っている夏菜。
ベビーベッドに寝ている蓮翔が、泣き出した。

「ふぎゃーー!!」

パチッと目を覚ます、夏菜。
ベッドを降りて、ベビーベッドに眠る蓮翔を抱き上げた。
「ん…蓮翔……どうしたの?
喉乾いたかな?」

蓮翔を抱いたまま、キッチンへ移動する。
片手で、ミルクの準備をする。
「うー、ダメだ。片手じゃ益々時間がかかる。
蓮翔、ごめんね」
そう言って、揺りかごに寝かせた。
更に泣き声は酷くなる。

夏菜はできる限り急いで、ミルクの準備をした。

「ごめんね、蓮翔。
はい、ミルクだよー」
美味しそうに飲み始めた蓮翔を見て、夏菜は微笑んだ。

ミルクを飲ませ寝かせて、夏菜もベッドに戻る。
李範の腕の中に顔を埋めた。

すると、李範が抱き締めてくる。
「お疲れ」
頭の上から、李範の声がする。

「うん」
「次、蓮翔が泣いたら俺がするから」

「ううん。りーくんは寝てて」
「でも、二人の蓮翔だろ?」

「うん、そうだよ」
「だったら……」

「りーくんは、明日仕事でしょ?
だから、寝なきゃ!
次の日がお休みの時は、お願いしてるでしょ?
こーやって、ギュッて抱き締めてくれたら、私は頑張れるよ?
それに、全然負担なんかないんだよ?
眠いし、きついなって思う時あるけど、辛いとは思ったことないの。
だから、大丈夫!」

「…………ん。わかった。
じゃあ、いっぱい抱き締めてキスしようぜ!」

二人の口唇が重なった。
次第に、深くなる。

すると━━━━

「ふぎゃーー」
また、蓮翔が泣き出した。

「「あ…(笑)」」

「蓮翔に邪魔された(笑)」
「フフ…」

二人は、笑い合った。
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