強烈な旦那様♡おバカなカメ~その後のちょっとしたお話~
蓮翔を引き取って、9ヶ月。

蓮翔の一歳の誕生日。


李範と夏菜は、タブレットの画面を見ている。

蓮翔を引き取った直後。
寝返りの動画。
李範や夏菜が抱っこしている写真。
1人遊びをしている動画。
絵本の読み聞かせをしている動画。
お座りができた時の写真や動画。
初めて、一人立ちができた時の写真や動画。
笑った顔、泣いた顔、楽しそうにはしゃぐ顔………

沢山の三人家族の写真が映っている。

たった9ヶ月でも、色んなことがあった。

「幸せ…」
夏菜が、ポツリと呟く。

「そうだな!
……………なんかさ」
蓮翔の頭を撫でながら言う、李範。

「ん?りーくん?」

「勢いで蓮翔を引き取るっつって“幸せにしてやんなきゃな”って思った」
「うん」

「でも、違うのかもな……?」
「え?」

「俺達の方が、蓮翔に幸せにしてもらってる」
「フフ…確かに(笑)」

「それに“幸せになる努力”しなくても、幸せだしな!」
「そうだね!
子どもって、幸せを運んできてくれるんだね!
知らなかったなぁー」

「あぁ!」

「私、子どもができなくても、りーくんがいればいいって思ってた。
その気持ちは変わらないんだけど、こうして暮らしてると、やっぱ子どもっていいね!」

「そうだな!(笑)
まぁ、大変だがな!
カメを取るし(笑)」
「フフ…りーくん、ヤキモチ?(笑)」
クスクス笑う、夏菜。

その夏菜を押し倒す、李範。
「え?り、りーくん?」

「ヤキモチ?チゲーよ!嫉妬!
……………さぁ、夏菜。
俺の機嫌、直せよ」
李範の顔が近づいてくる。

「りーく…ちょっ…ま、待って!
蓮翔、いるんだよ?」

「関係ねぇよ……」
「んんっ…!!?」
口唇が重なり、深くなっていく。
夏菜が酔ったようにポーッとなっていく。

「ふぎゃーー!!」
そこに、蓮翔の泣き声が響いた。

ピタリと二人が止まる。
見合わせた二人。

「「フッ…」」と笑い出した。

「……ったく…しゃねぇーなぁ(笑)」
「蓮翔、さすがだね(笑)」


二人は、蓮翔の元へ向かうのだった。



強面な李範と、トロくておバカな夏菜。
そして二人の愛する可愛い蓮翔。

三人の物語は、これからも続く━━━━━━━





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