The previous night of the world revolution~P.D.~
…その、少し前。
「…来るかな、『青薔薇連合会』は」
俺の協力者である彼女は、不安げな表情でそう聞いてきた。
既に情報屋を通じて、『青薔薇連合会』に偽情報を掴ませた。
『M.T.S社』のリーダーと幹部達が帝国自警団に匿われている、と。
果たしてこの情報を受けて、『青薔薇連合会』は…あの男は動くだろうか?
仮に動いたとして、俺達が望むような展開になるのだろうか。
こればかりは誰にも分からない。
賽は投げられたのだ。あとは黙って、事態の成り行きに身を任せるしかない。
「『あいつ』は、ルレイア・ティシェリーが攻めてくる可能性が高いと言ってた。『あいつ』の言葉を信じて待つしかないだろう」
「…それはそうなんだけど…」
「あいつ」…俺達の「信頼出来る仲間」が立てた作戦なのだ。
帝国自警団の存在を、ブロテ団長の存在を調べ、この組織を復讐の為に利用しよう。
その計画を立ててくれたのも、その「信頼出来る仲間」だ。
だからこそ俺と彼女は、「信頼出来る仲間」の指示に従ってここに来た。
その甲斐もあって今、俺達はこうして…帝国自警団を隠れ蓑に出来ている。強力な切り札も手に入れた。
今のところ、「信頼出来る仲間」の立てた作戦や計画は、全て上手く行っている。
…まぁ、思っていた以上にブロテ団長が穏健派だったことは、想定外だったが。
しかし、これは仕方ない。国内にさえいなかったブロテ団長の人柄を、推し量る術などなかったのだから。
とにかく、今のところ「信頼出来る仲間」の作戦は成功しているのだ。
今回の作戦も、そんなあいつが立ててくれたものだ。
ならきっと大丈夫だと、俺達は信じるしかない。
…それに。
「大丈夫だ。もし失敗したとしても…俺達には失うものはない。情報屋が買収されたことも、偽情報を掴ませたことも、俺達の仕業だと誰も分からない」
「…それは…」
ルレイア・ティシェリーは勿論、俺達がここにいることを知らない。
ブロテ団長も、まさか俺達が独断で動いているとは知らない。
もし作戦が上手く行かなかったとしても、全て情報屋に責任を押し付けることが出来る。
「情報屋が間違えて偽情報を売った」ということにしてしまえば良い。
一連の事件を、俺達と結びつける証拠など何処にもない。
だから何も恐れることはない。
ただ、獲物が罠にかかるのを待てば良い。
この罠にかからなければ、いずれまた、別の罠を仕掛けるだけのことだ。
いつか、あの男の首に手が届く日まで。
…すると、そのとき。
突如として、自警団本部に、緊急を知らせる警報が鳴り響いた。
突然の警報に、誰もが腰を抜かしていたが。
俺達だけは違った。
「…来た」
獲物が、罠にかかったのだ。
「…来るかな、『青薔薇連合会』は」
俺の協力者である彼女は、不安げな表情でそう聞いてきた。
既に情報屋を通じて、『青薔薇連合会』に偽情報を掴ませた。
『M.T.S社』のリーダーと幹部達が帝国自警団に匿われている、と。
果たしてこの情報を受けて、『青薔薇連合会』は…あの男は動くだろうか?
仮に動いたとして、俺達が望むような展開になるのだろうか。
こればかりは誰にも分からない。
賽は投げられたのだ。あとは黙って、事態の成り行きに身を任せるしかない。
「『あいつ』は、ルレイア・ティシェリーが攻めてくる可能性が高いと言ってた。『あいつ』の言葉を信じて待つしかないだろう」
「…それはそうなんだけど…」
「あいつ」…俺達の「信頼出来る仲間」が立てた作戦なのだ。
帝国自警団の存在を、ブロテ団長の存在を調べ、この組織を復讐の為に利用しよう。
その計画を立ててくれたのも、その「信頼出来る仲間」だ。
だからこそ俺と彼女は、「信頼出来る仲間」の指示に従ってここに来た。
その甲斐もあって今、俺達はこうして…帝国自警団を隠れ蓑に出来ている。強力な切り札も手に入れた。
今のところ、「信頼出来る仲間」の立てた作戦や計画は、全て上手く行っている。
…まぁ、思っていた以上にブロテ団長が穏健派だったことは、想定外だったが。
しかし、これは仕方ない。国内にさえいなかったブロテ団長の人柄を、推し量る術などなかったのだから。
とにかく、今のところ「信頼出来る仲間」の作戦は成功しているのだ。
今回の作戦も、そんなあいつが立ててくれたものだ。
ならきっと大丈夫だと、俺達は信じるしかない。
…それに。
「大丈夫だ。もし失敗したとしても…俺達には失うものはない。情報屋が買収されたことも、偽情報を掴ませたことも、俺達の仕業だと誰も分からない」
「…それは…」
ルレイア・ティシェリーは勿論、俺達がここにいることを知らない。
ブロテ団長も、まさか俺達が独断で動いているとは知らない。
もし作戦が上手く行かなかったとしても、全て情報屋に責任を押し付けることが出来る。
「情報屋が間違えて偽情報を売った」ということにしてしまえば良い。
一連の事件を、俺達と結びつける証拠など何処にもない。
だから何も恐れることはない。
ただ、獲物が罠にかかるのを待てば良い。
この罠にかからなければ、いずれまた、別の罠を仕掛けるだけのことだ。
いつか、あの男の首に手が届く日まで。
…すると、そのとき。
突如として、自警団本部に、緊急を知らせる警報が鳴り響いた。
突然の警報に、誰もが腰を抜かしていたが。
俺達だけは違った。
「…来た」
獲物が、罠にかかったのだ。