ひとりぼっちのさくらんぼ

お姉さんの素敵なところは。

あたしの素敵なところなんだ。



(今は自分を客観視してる感じだ)



自信がないところ。

本当は寂しがり屋なところ。



(一緒なんだ、良いところも悪いところも)



そう思うとあたしは。

胸の奥がじんわりした。

お姉さんを通して「大丈夫だよ」って、言われているみたい。



「あなたはこんなにも魅力的ですよ」って。



だったら。

少しくらい、自信を持ってもいいのかも、……ね?







夜。

一応、リビングのソファーに寝転ぶ。

感覚が無いからふわふわして、居心地は良くないけれど。






お姉さんはお風呂から上がって、キッチンで水を飲んでいる。

手にはスマートフォン。



(市原さんとメッセージのやり取り、続いているのかな?)



そう思って、勝手にほっこりした気持ちになっていたら。



「えっ」
と、お姉さんが低めの驚きの声を出した。

< 145 / 224 >

この作品をシェア

pagetop