Alice in 怒涛の恋愛小説
今の私なら、

「チョロいなぁ…。しかも、デキ婚なんてだらしない」

と思うけれど、それは恋愛の現実、泥沼を教えてくれた母張本人の影響だろう。

父は、心から母の妊娠を喜んでいるように見えたというし、実際、結婚もしたので、母は新婚当初、まさに幸せの絶頂にあったという。

ところが、独身の頃はあれほど愛されていると感じていたのに、結婚して間もなく、父は帰宅しないことが増え、出産前後の時期ですらそうだった。

産後で情緒不安定だったこともあり、猜疑心から浮気調査をしたところ、父にはとんでもない数の恋人が居ることが発覚。

しかも、それは独身時代からずっと、同時進行だったとか。

今のようにスマホもなかったから、そんな大勢と同時進行したら、普通はバレそうなところ、父はうまくやっていたようだ。

日本に住む欧米人男性は、日本人女性を簡単に落とせると思っているという話は、どこかで聞いたこともあるが、自分の父親がまさにそうだったとは皮肉である。
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