闇の底に眠る悪魔
俺は光里の手の中
何度目かの今日。
俺はソイツを見た。
「お前は……!クミナガ・ケイジ!!なぜ、ここに居る!」
「……お前をずっと、探していた」
「相談相手は」
「……どうしたと思う?」
「まさか!」
「殺したよ」
「?!」
「だから、俺の元においでよ……俺、悲しいんだ」
「俺だって!……お前が居なくて、悲しかったんだ。だけど……もう、遅い」
「何してるの、そこで」
俺は、後ろを見た。
そこには、光里が怖い目つきで2人を見ている。
「貴方が、クミナガ・ケイジ?」
「お前は?」
「私は、akari★hikari。光の姫よ。貴方が、三方くんを苦しめた人ね。何しに来たのかしら。三方くんをまた、痛め付けるため?」
「違うさ、俺はここの生徒。久弥長頚慈(くみなが けいじ)。三方が俺を探しに来たんだ」
クミナガ……久弥長は、俺を見た。
久弥長と目があった途端心臓がドックンと跳ねた。
操られたかのように俺は言葉を口にする。
「……そうだよ。俺が探していたんだ」
光里は、俺を暗闇から連れ出した。
正確には、引き出した。
暗闇に囚われそうになったから。
俺は正気に戻った。
だけど、瞳は赤のまま。
これが本来の俺だから。
紫の瞳は、あのテグスのせい。
俺があのテグスを外したのだろう。
光里は、また俺にテグスをはめようとする。
「これをつけなきゃ。アイツにまた操られるでしょ!さっきも、暗闇に囚われかけてた!」
「俺をほっといてくれ!」
「それは、出来ない!力づくでもはめさせるから!」
「出来るもんならやってみろ」
俺は光里から逃げようとした。
が、光里には勝てなかった……。
手首には、テグスがはめられていた。
瞳は、紫に再び戻されてしまった。