白衣の王子たち

朝は佐倉先生か、

佐倉先生がお休みの日は

龍くんがバイタルを測ってくれる。

その後に朝ごはん。

そこから1日勉強してる感じ。

入院してるものの、

今回のテスト範囲が広すぎて勉強に追われて

毎日忙しい。

___コンコン

「はーい」

「おはよう、はなちゃん。」

佐倉先生が朝の回診に来た。

「おはよ、先生。元気だよ今日も。」

テキストの方に目を向けたまま返事をする。

「毎日勉強してて、感心だね。

でも、前も言ったけど無理しないように。

病院でこの調子なら、

外出たらもっと無理しちゃいそうで

怖いんだけど。」

「もぉ、先生は心配性すぎ〜。

外出たら逆に誘惑おおすぎて

勉強怠けちゃうかも(笑)」

えへへ、なんて言ってるとテキストを覗かれた。

「そこ、その公式でやるより

もっと早いのがあるよ。」

シャーペンを奪われて、

ノートにさらさらと書かれる。

字が綺麗で、几帳面な字。先生らしいな。

「この公式をつかえばよかったんだね、

さすが先生。尊敬する。」

「僕は蓮みたいに器用じゃないけど、

数学だけは得意だったからね。」

「ふふ、こないだのルート取られた時の

引きずってるの?(笑)」

「うるさい。蓮の話はおわりおわり。」

図星だったようで、少し顔が赤くなってる。

「まぁ、無理しない程度に勉強頑張って。

約束通り、テストの日に外泊させられそうだから。

当日の体調次第だけど、、、」

「うん。ありがと、先生。」

手を振って先生を見送る。

さて、お昼ご飯まで勉強頑張るか。

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