ラスト・クリスマス
もし、大和と恋をするのなら…それは、完全に失恋の傷が癒えてから。

そもそも、大和は私との恋愛など望んでいないという可能性も高いのだが。

ゆらゆらと揺れ動く想いを抱きながら、私たちは互いのいろんなことを夢中で話しながら家路を辿った。


そして、私の部屋の前で別れたあと、大和がくれた手紙の束を一通ずつ読み始めた。

私が送った手紙への返信なので、その内容は、大真面目なものも勿論あるが、オヤジギャグの連発や、へんてこな絵が書かれてあったりして、どうにかして私を笑わせようとしてくれる、不器用な優しさが伝わってくる。

私は思わず吹き出しつつも、少し瞳を濡らした。

本当にいい人だ…と思いながら。
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