ラスト・クリスマス
「あ、違った。あるよ」

その答えに、少し凹んでいたら、

「だって…今がまさにそうじゃん?」

そう言われ、もう、すっかり見慣れた端正な横顔を見ると、また耳が赤くなっている。

大和が、これをデートだと思ってくれていたとは。

「そうだね。嬉しい…」

思わず、私も本音が溢れる。

「だけど、私と一緒のところ、地元の知り合いに見られたら嫌じゃない?」

それは、気がかりである。

「え?なんでそんなこと思うの?」

「だって、私はお世辞にも美人とは言えないし…」
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