ラスト・クリスマス
12月に入った頃、大和は都心の洒落たレストランを探してくれたのだが、

「飛鳥、ごめん!人気の店をあちこち当たってみたけど、もう何処も予約いっぱいになってた…」

お互い、そういうことに疎いので、人気店はかなり早くから予約しないといけないことを知らなかった。

「そんな、いいのよ。大和があちこち探してくれただけでも嬉しいから」

「あー…もう!本当に可愛いやつだな!」

ギュウギュウに抱きしめられ、コロコロ笑った。

その時に、ふと、

「ねぇ。せっかくだから、イヴにはあの教会に行ってみない?私たちが出逢った場所へ」

そう提案してみた。

「そうだな!縁結びの神様には、ちゃんと感謝しないと」

「え、教会に縁結びの神様っているの?」
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