この胸が痛むのは
まず、バージニアから脅されたローラ・グレイシーへの罰について、侯爵と話し合う。
俺がクラリスへの餞別として購入したドレスが誤解され、妹から教唆されて、と話す。


予想通り、ここで侯爵の質問が出た。


「アシュフォード殿下の生誕夜会での謝礼?
 いや、餞別としてと仰いましたね?
 何ですか、それは?
 あれは3年も前の話です。
 こちらはいただいたブレスレットは返却しました」

「最初にクラリスに学園で、パートナーになって欲しいと頼んだ。
 その時に報酬をいただけるならと言われて約束したんだ」

「……なる程、あいつはそれを私には言わず、アグネスの為に等と。
 まさか姉である娘に謀れたとは!」


初めて聞かされて、侯爵の怒りもわかるが、クラリスがアグネスの代わりに矢面に立とうとしたことは真実だ。
それを説明する。
それで、少しは気持ちが治まったようで。
こうして一つ一つ話して説明して、侯爵の気持ちを解していけたら。

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