この胸が痛むのは
「……では、どうしたら?
 今日聞いた話を話題に出してもいいのですか?
 君のせいじゃない、と言い続ければ?
 それとも何か薬のようなものはあるのでしょうか?」

「医薬の進歩が著しい帝国にでも行けば、心の
医師が居て、薬の処方も可能かもしれませんが。
 申し訳ありませんが、私は医学を学んでいないもので」


帝国か……症状が治らないのなら、いつかは医学の力が必要なのかも知れないが、今は俺の出来る限りの事をしたかった。

こちらに戻る馬車の中でずっと考えていた事を
先生に伝えることにした。


「アグネスにはきちんと話して謝罪をしたいと
思っています。
 確かに以前は許して欲しくて話そうとしていました。
 ですが……酷い事をして傷付けてしまった以上きちんと謝罪はしなくてはいけないと思います。
 許されなくても、前に進めなくても……
 私はアグネスに謝り続けます。
 彼女から再び信用されるように、努力は続けたいのです」
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