この胸が痛むのは
クラリスへの片想いを拗らせていた自分に、似ていると言われているアグネスを預ける事を厭わなかった主に、これからも仕えるぞと、気持ちを新たにする。

これからの段取りを説明し終わると、アグネス
から結婚の御祝いと披露宴に出席しなかった事を謝罪されたので、離婚した事を伝えた。


レイノルドからしたら、単にアシュフォードが
言わなかっただけなのに、かわいそうな程、
アグネスは慌てていて、しどろもどろになって
いた。

外見は大人びていても、やはり中身は子供だなと、こちらが気を遣う。
反対にアグネスが気の毒になり、場の雰囲気も
微妙になったので、早めに夜会会場へ向かった。


幸いにも、彼女の兄のプレストンを見つけたので妹を預けた。
アグネスには気付かれないように、辺境伯夫人の動きをお互いに追うことを確認した。


アシュフォードに報告しようと会場から出て、
王族の間に向かうと、丁度部屋から出てきた主 と会う。
さっき、入れ違いに顔を見た時よりももっと顔色が悪く、廊下に置かれていた椅子に座らせた。

吐き気がするのか、口元と胃の辺りに手を当てていた。
典医を呼ぼうとして止められる。


……今夜は長くなりそうなのに。
うちの王子様は無事に乗りきれるのか?
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