この胸が痛むのは

第15話 アシュフォードside

隣国の女クジラはフォンティーヌ第2王女殿下と言う。
貴く大変美しい名前だ。
俺より3歳上の19歳。
贅沢と美味しいもの、美しいものに目がない。
飽食が過ぎて、縦よりも横の幅にまず目がいってしまう。
少女の頃から運動が嫌いで極力動かないので、
年齢と共に巨大化していき、俺が会った2年前には『ぞうさん』だったのに、去年クジラに格上げになった。
地上では彼女に例えられるものはなくなり、海へ住みかを移したのだ。
……この命名は、一体誰がしているんだろうな?


学園の昼休みの食堂で。
俺の語る王女の話にクラリスが下を向いて、
お上品に笑っていた。
学園ではクラリス・スローンは美しい優等生で
通っていて、第3王子殿下の女友達に相応しい
令嬢だ。
本人はすました顔をして
『私も乙女なのです』などと、言っていたが。
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