この胸が痛むのは
リヨンの後継者の王太子と第1王女は第2妃の 子供だ。
フォンティーヌ第2王女はリヨン国王の3番目の子供になるが、母親は第1妃。
リヨンでは第1妃と第2妃の地位に大きな違いはない。

ただ、妃の実家の爵位が高い方が第1妃になる。
母親の第1妃派閥の後押しでフォンティーヌを 王太女とし、王配を娶った方が国力が高まるのではないかとの一部貴族の動きがあり、第1王子が王太子に決定するまではリヨン王家はゴタゴタ続きだった。
王太子が腹違いの妹を嫌うのは、当然と言えば 当然だな。
彼が実権を握った王宮は居心地が悪くて、早く養女に行きたがっている、とも聞いた。


俺が見たところ、体型はゾウからクジラに格上げされる程成長はしていないのに、そう名付けられたという事は、与える印象が大海を縦横無尽に泳ぐ、全てを呑み込みそうな無双の海獣めいてきたからかも知れない。


「確かにデカい……どんな醜い女かと思ってたけど、意外と……だな?」
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