【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
「亡くなったんだ、去年」
「え?」
「遠征中の事故でね。だから早いけど僕が跡を継いだ」
「そうでしたか……」
「素敵な旦那様だったわ。本当に素敵な……」

 エルゼの視線は昔を思い出すかのように遠くを見つめており、フィーネも彼女がとても彼のことを愛していたのだと感じた。

「父は偉大な人だから僕で仕事が務まるか正直不安なところはあるけど、父を超えられるように頑張るよ」
「はい、応援しております」

 そんな家族の様子をリンは静かに見守っていた──
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