【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
 すると、玄関のほうで馬車が戻った音がしてフィーネは急いで玄関のほうへと向かった。

(お願い、お願い、無事な顔を見たい……! オズ……!)

 いつもであれば廊下を走ると叱られるのだが、オズに会いたい想いでひた走る。
 ようやく見えた玄関の入り口では、無事に帰ってきたオズの姿があった。

「オズっ!!」

 フィーネは叫んで涙を流しながらオズの胸へと飛び込んだ。
 それをよしよしといった様子で頭をなでながら、オズはその気持ちを受け止めて言った。

「ただいま、フィーネ」

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