Triangle Love 3 ~ Close to you ~

piece of カナメ

ナナミに返信が出来ないまま、朝を迎えた。

俺は一睡もできなかった。

この後、学校でナナミに会いたくはない。

同じ高校に通っていても、クラスは違うので顔を合わせない日も多々ある。

しかし、家は近所なので学校に着く前に会ってしまうかもしれない。

わざと遅刻しよう。

その間にナナミへの返信は何とかしよう。

一晩中、俺は今後について考えていた。

ついにナナミがイクヤに告白することを決心した。

俺の脳内では、様々な選択肢がぶつかり合っていた。

俺もナナミに告白する。

ナナミの告白を阻止する。

ナナミを応援する。

うーん…。

俺が告白してナナミが幸せになるなら、迷わず告白をする。

しかし、ナナミがずっとイクヤを好きなことは知っている。

特にイクヤと別々の高校に通うようになってからは、気持ちが強くなった気がする。

今、告白をしても困惑するだけではないか。

いや、それはナナミを理由に逃げているだけではないかとも思う。

そうやって言い訳をして、勇気が出せない自分もいる。

答えは出ない。

そもそもイクヤに彼女はいるのか?

時々、街中で女子と一緒にいるイクヤを見かけたことはある。

イクヤと同じ学校の人だとは思うけど、付き合っているかは分からない。

頻繁に会ってはいるが、恋愛についての話をした事がない。

まずはイクヤに彼女がいるか聞いてみよう。

もし。

想像したくはないけど、イクヤとナナミが付き合うことになったら。

俺って完全に邪魔だよな…。

3人ではもういられなくなるな…。

誰かの幸せは誰かの不幸せ、ってことか。
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