Triangle Love 3 ~ Close to you ~
自己嫌悪が止まらないまま、帰宅した。

ナナミを置いていった後、あてもなくショッピングモール内を徘徊していた為、自宅に着いた頃には夜になってしまった。

自室に入りスマートフォンの画面を確認すると、ナナミからメッセージが届いていた。

《今日はごめんなさい。わたし嘘ついてた。本当にごめんね。だから、ちゃんと正直に話すね。電話してもいいよって時、教えてください。》

俺はスマートフォンをそっと机の上に置いた。

違う。

ナナミは何も悪いことはしていない。

謝る必要はない。

ついにナナミはイクヤへの告白を考えている。

ちゃんと自分の気持ちと向き合って、行動に移している。

だけど俺は…。

幼なじみだからしょうがないと。

言い訳ばかりして何もしていない。

そしてこんな時でも、ナナミの正直な話なんか聞きたくないと思っている。

内容は明らかだからだ。

『うっ…。』

ベッドに倒れ込み、天井を眺めた。

俺は自分が苦しまないように必死だ。

好きだって言えないから。

このままナナミの側にいれば、ずっとめーちゃんって呼んで、甘えてくれるから。

結局、うだうだと考えて込んでいたせいで、その日のうちに返信をすることができなかった。
< 6 / 89 >

この作品をシェア

pagetop