研がれる私/長編エロティックミステリー

第6章ー加速ー

共犯者たち、決集す!①


あれから二日たった夜…

石渡から連絡があったわ

「ルイ…、今日石橋と会ってきた。ヤツ、即答だったぜ。俺たちと組むってよ」

わー、いきなりだ‼


***


「そう…!じゃあ、私の愛しい恋人役、石神康友を殺害する私のプロジェクトに参画するってことでいいのね?」

「ああ、報酬等も一任でかまないそうだ。ふふ…、やっぱり俺の見立て通り、石橋は石神のことを相当根に持ってる。使えるよ、あいつ…」

石渡の言うとおりだわ

石橋カズヒコは、極めて高いモチベーションに達してる

それは、あの”強敵”に立ち向かう上で、大きな武器よ

うん、これで二人ゲットね

となると、残るは高石トールだ…


***


「…でよう、もう一人の方はどうする?」

さっそく石渡が振ってきたわ

「そうね…、今回、石橋のことはズバリの見立てだったんだから、高石もメガネ通りってことになるんじゃない?」

私は脂肪付のプーを持ち上げながらも、微妙に皮肉ってみた

「…とは言え、まずは一度オファーして、それでそっけなかったら手を考えるか?」

「うん、そうね…。とりあえず、通り一遍で誘ってみて。私の代理ってことで。3人のうち、アンタ以外は”立ち上がった”ってね。あなたなら、その辺、相手の琴線弾く言い回しできるでしょ」

「フン、おだて上手な野郎だな(苦笑)。ますますベッドでヒイヒイ言わせたくなってきたぜ。ヒヒ…」

うわっ…、キモい!


***


私は、本プロジェクト(企み)の主催者である宮本ルイの”使者”に、あえて補足した

「いい…、石渡さん。彼からあっさり”ノー”が出てても、すぐにバイバイしないで。とにかくさ、何でもいいからいろいろ聞いてみて。カレの場合、一度断った後の”詰め直し”は材料次第だと思ってるんだ」

「ならよう、要はヤツに断られた場合、世間話をすりゃあいいんだな?」

「まあ、そうだけど…。そうね、私の狙いどころを念頭にすると、切り口はこうなるわ…」

私はこのあと、理詰めでプーさんにアドバイスしたわ


***


「ナルホド…。硬い仕事に就いているのは石橋と同様でも、高石はヤツと違ってフツー度が高い。その高石がなぜ俺たち二人とともに、金のためとはいえなぜ生爪ベロリを受け入れたか…。そこんとこの理由ってことか…。お前的には、そこを突っ込みどころにできるって見立てなんだな?」

「そういうこと。何か、よんどころのない事情があったのかもしれないし…。それ、聞き出して。あなたならやれるわ」

「おお、そういうことなら了解した。やってみるわ」

ふふ…、最後はプーさん、私の言ううこと、しっかと了解してくれたわ

ガンバレー!

期待してるぞ…





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