逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
「フーっ…」
一通り洗い終えて湯船につかった麗人。
「女の体って、結構洗うの大変なんだな。長い髪なんて、時間かかるし。やっぱり、女性が男性より時間がかかるのは仕方ないんだね」
窓から見える夜空を見ながら、麗人はなんとなく女性側の気持ちが判ったような気がした。
お風呂から出てくると長い髪をドライヤーで乾かし始めた麗人。
だが、髪が絡まって上手く乾かせなく苦戦していた。
「お嬢様、大丈夫でございますか? 」
お手伝いさんが心配で声をかけて来た。
「良かったら、お手伝いいたしましょうか? 」
「え? 助かります、お願いします」
よかった、このままだと朝までかかりそうだった。
ホッとして麗人は、お手伝いさんに髪を乾かしてもらった。
髪を乾かすと、優衣里の髪は腰のあたりまで長い事が判った。
日頃は1つ結びに結っているから、それほど長いとは思わなかったが。
部屋に戻り、鏡の前で髪を下ろした優衣里を見ると麗人は綺麗な姿に見惚れてしまった。
やっぱり優衣里さんって、髪を下ろした方がとっても綺麗だ。
肌の色も透明感があり綺麗だし、顔立ちもお姫様みたいで、髪もすごく綺麗…。
どうしていつも大きな眼鏡かけて、地味な格好しているのだろう。
もっと明るい色を着てもいいし、髪だって下ろしていた方がいいのに。
そんな思いで鏡に映る優衣里を見て、麗人は喜びを感じていた。
とりあえず今日は眠ろう。
そう思って寝室へ向かった。
女の子らしいピンク色のベッドカバーに枕カバー。
フカフカのベッドに横になると、優衣里の匂いがして麗人は幸せを感じた。
「優衣里さん…。ずっと、高校生の時から好きだって気づいたのつい最近なんだ。…だって…気持ちを伝えようとしたけど、会えないままだったから…」
そっと目を閉じると思いだされると遠い日。