逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
フッと一息ついて、純也は半身を起こした。
「俺、前に言ったよな? 起たないって」
「そうね、知っているわよ」
「俺は…心から愛する人にしか、反応しないんだ」
「はぁ? どうゆう事? 」
ひょいと起き上がった純也は、下着とズボンを拾って履き始めた。
「特異体質だと思うが、ずっとどんな女に迫られても起たなかったが。やっと、反応する人に出会えた…」
脱ぎ捨てられたシャツを拾い、袖を通しながら彩を見た純也。
その目は怒りと悲しみが同調しているかのような目をしていた。
「お前、俺の事覚えていないのか? 」
「覚えていない? 貴方と会ったのは、あのぶつかった時が初めてよ」
「違うね。お前はずっと、俺のストーカーやってんだよ」
何を言われているのか分からない顔をして、彩は純也を見ていた。
シャツのボタンをはめ終えた純也は、携帯電を取り出して保存してる写真を見せた。
「え? …」
写真を見た彩は驚いた目を見開いた。
携帯電話に保存されている写真は、中学生くらいの麗人と純也。
とてもよく似ている2人だが、タイプは真逆である。
「お前、こっちが麗人だと思い込んでいるだろう? 」
そう言って、純也が指さしたのはがり勉タイプの黒ぶち眼鏡をかけて愛想のない顔をしている方だった。
「そうでしょう? だって、今の部長がそうだったもの。メガネ外したら、ちょっと違うけど」
「やっぱりな。俺たち双子だから、雰囲気変わればどっちがどうだか分からないんだよ。お前には悪いが、麗人はこっち」
と、純也が指さしたのはチャラい感じで髪を金髪に染めて厳つい目つきをして睨んでいる方。
「う、嘘…。だって、高校生の時だってこっちの真面目タイプだったわよ? 」
「それは俺だ。麗人は、俺がちょっと身体弱かったから俺の事を護る為に強くなってくれていたんだ。小学校の時から、俺の事をいじめてくる奴等をコテンパンにやっつけてくれていたんだ。どんな強い奴等にも、臆することなく向かて行く麗人。そんな麗人を気に入って、逆に裏家業の連中も味方になってくれるようになったんだ」
ジャケットを拾った純也は、内ポケットから煙草を取り出し火をつけて吸い始めた。
高級ブランドのライターに、高そうなタバコを吸っている純也は、どこかのヤクザのようにも見える。
とてもあの写真の真面目なタイプの方には見えない。