紺くんはわたしの世界一好きな人。

 わたしの両膝に(こん)くんがごろんと寝転がる。

「こ、(こん)くん!?!?」
「今日、なんだか積極的じゃないですか?」

「転科初日だからねー」
(うい)、部屋のことだけどさ」

「は、はい」

「一緒に決めていい?」

 え……。

「俺も今更家に戻る気ないし、今後ずっと住む家なら一緒に決めたいなって思って」
「だめ?」

 私はぽろっと涙を零す。

(うい)?」

「これ以上ないってくらいすごく嬉しいです。だけど……」

 このまま進めば普通に幸せになれるのに。

 すごく幸せなのに――――。


「わたし、金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)目指してた頃に戻りたい」

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