紺くんはわたしの世界一好きな人。
大好きです。


 放課後。わたしと(こん)くんは207号室の部屋に向かって歩いていた。

 屋上の時から今も気まずい。
 (こん)くんあれから一言も話してくれないし。

 あんな我儘言わなければ良かった。
 もう金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)目指してた頃には2度と戻れないのに。

 ……あれ?

 星出(ほしで)さん、虹叶(にか)くん、めーさん、伸太郎(しんたろう)くん、あゆちゃん、(かじ)くんがクラッカーを持って207号室の部屋の前になぜか集まっていた。

「あ~、帰ってきたぁ」
 髪をおだんご2つに結んだあゆちゃんがにこにこ顔で言う。

「せーのっ」
 (かじ)くんが掛け声をかけると、

(うい)、お誕生日、おめでとー!」

 全員が揃って言い、

 パンパンパァン!
 クラッカーが飛び交う。

 な、何事!?!?

 てか今日、わたしの誕生日!?

 いつものわたしなら絶対忘れないのに、
 いっぱいいっぱいで忘れてた…。

 ピンポンパーン♪

鮫上(こうがみ)倉下(くらげ)ペア、至急学園長室に来て下さい』

 え、よ、呼び出し!?

 (こん)くんはにこっと笑う。


「至急だって。(うい)、行こ」

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