秘密恋愛短編集
いいかけて言葉を切った。


つい英祐といいそうになってしまい、貴美子の表情をチラリと見る。


貴美子はなにも気がついていない様子でお弁当を食べ勧めている。


「え、英語の授業のこと。今日の授業難しかったから」


「確かに難しかった! あんなの大学受験のとき出されたらどうしようって焦っちゃうよねぇ!」


「だ、だよねぇ!」


私は必死でとりつくろったのだった。

< 91 / 121 >

この作品をシェア

pagetop