黒と白

蘭羅side

誰も、何も、喋らない。

時計の音だけが、響く。

手術中の赤いランプが、光っている。

『蘭羅っ!』

聖たちが、来た。

顔には傷ができている。

みんな走ってきたのか、まだ寒いのに汗かいてる。

「蓮也は!?」

真に言われ、私は目線を手術中のランプの方に向けた。

聖たちは、何も言わず。

蓮也、どうして?

どうして、私を庇ったの?

蓮也がいないと私、これからどうしたらいいの?

蓮也がいなくなるなんて、考えられないよ。

ずっと一緒って、言ってくれたじゃん。

蓮也…

どれぐらい時間が経ったんだろう。

もう、日付回ってるかも。

私の中ではとても長く感じた。

ここには、雅紀さん香織さん、麗華さん大輝さん、聖也君、真、光輝、聖、兼がいる。

みんな蓮也のこと待ってるよ?

お願い…

無事でいて。

ウィィィン…

手術中の赤いランプが消えて、扉が開いた。

みんな、立ち上がった。

中から、先生がでてきた。

「先生。蓮也は?」

雅紀さんが、聞いた。

「銃弾は、取り除けました。命に別状はないです」
< 163 / 316 >

この作品をシェア

pagetop