陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 馬には、たぶん乗れる。希望的観測かもしれないけれど、ゆっくりソロソロと歩かせるくらいなら出来るはず。

 子どもの頃、ポニーに乗れた。大人になってからは、厩務員が手綱をひいてくれて馬場内を歩いたことが、たぶんあったはず。

 それはともかく、とにかく彼と森を散策出来るなんて素敵すぎる。

「陛下、すごく楽しみです」
「フユ、よろこんでくれてうれしいよ。それでは、どうだろう。三日後というのは? 厩務員に馬の準備をさせ、近衛隊に警護の手配をしてもらわなければならない。そのくらい余裕をもたさないと、嫌味を言われるからね」
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